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この席空きませんか?
 昨日の出来事。

 昼食も過ぎ、一息ついて、暖かくなった午後の賑やかな時間。
 主婦達はそれぞれの家路に着くか着かないかの分かれ目の時間。

 そんな、穏やかに時が流れる合間に一人の場違いな男が現われる。

 青いジーンズ。足元は800円かそこいらの簡素な薄茶のシューズ。色合いさえ入っていない。そんな出で立ちの彼は改札をでようともしないで、構内にある本屋へと消えていった。――やや前屈みにも見えるその後姿は、一瞬“SoupStock東京”のカウンターに向いもするが、何か躊躇するところがあるのか、そのまま立ち並ぶ雑誌棚の奥へ消えていった。

 ◆◆◆

 少し過ぎて改札を出たその男。お世辞にも綺麗とはいえない口ひげを生やし、髪の毛も整えているというよりは、伸びきったまま。

 改札をでて、目の前にAMPMの看板でも目に入ったのか、まっすぐにそちらへ向う。真横に大きいカフェラテとホットチョコレートの販促がチラッと飛び込んできたが、そのままコンビニへ。
(入れない…)
 何かの厚い空気にでも阻まれたように中へ入る事はとても躊躇われた。
 ふと足元を見れば、子供程はあるコリーがおどおどと耳を伏せながらこちらを見ていた。
(これ以上、見ないであげた方がいいな)
 そう判断して、引き返す。先ほど目にしたベーグル屋をふと眺めて、中に入ってみようかと思いつく。お腹がすいているわけでもないのに。

 立ち止まって考えるそぶりを見せながらガラス越しに見える中の様子を伺ったようにも見えた男はすんなりと中へ入り、レジ前に並んだ。

 
 見回して、カウンター奥の上。黒板にも似たそこに書いてある楷書のローマ字――おそらくは品書きなのだろう――を解読することは諦めて近くにあった品書きを見る。
「次のお客様。ご注文をどうぞ――」
照り焼きチキンは食べににくそうだし、ハンバーグ系もな…と迷ってオムレツトマトにしようかと考えたところで。声を掛けられた。

 注文を終えて受け取って席について食べ始めた。パンの種類を十数種類から選べることには驚いた。

 ◆◆◆

 食べ終わってトレイを片付けた時。正面に女の子が立っていた。
「この席空きますか?」
「え?」
一瞬何を聞かれたのか分からずに、聞き返しの言葉が口から漏れた。
もう一度、その子は同じ言葉を話してくれたよ。
 もう出ようかと思っていた矢先だったから。なんて答えてその場を後にしたかは覚えていない。
…。店を出て振り返った時、彼女がコートを脱ぐそぶりが焼きついた。
色っぽいとも、かわいいとも感じずに…。ただ、その後ろ姿がやけに彼女に似ていた。名前を言う事もないだろう僕の隣の部屋に数年?…一年だったかな。居てくれた彼女。…そこから聞こえた泣き声はもう聞こえないさ。彼女は今日も誰かに抱かれたかな?どうだろうな…。

 連れて帰る場所も連れて行ける場所もない俺としては…。どうにも出来ないだけの事。あったとしても、そこまで人と居ることが上手いとは。もう…言えない。鏡を見て。こんなもんだよな。実際。…そう諦めるしかないほどに。自分の顔に体に能力に自信がない。そして何かを求める力もね。

 帰りの道すがら、川原をてくてく歩きながら、さっき出た店の方角を気にしてた。後ろ髪を引っ張られるような感じが始終続いてた。思いっきりぐい!っとも引っ張れないそんな弱さを彼女に感じたよ。

 欲しいものが手に入る世界ならどうだったのだろうね?

 今のある世界を望んだ彼女は、「強い者が勝つ世界」かな?
 それとも「弱い者が勝つ」?ま。どちらにしろ。誰も得はしないだろう。強い意志を持って手に入れた誰かの夢のカケラ達は、手にした者に幸せを与えない。ただあるのは、なんだこんなものを欲しがっていたのか。と、ただどうにでもない紙くず同然の玩具にもならない単なるガラクタさ。

 誰かの望んだ夢や希望や欲望は、その人本人にしか、力を与えないもののはず。他の誰かに使うなら…。それは一時で崩れ去るだろうね。
 ま。それが単なる道具ならね。

 僕はそろそろ欲しいものも無くなるかもしれない。幸せなコトに。

 また一つ年を取ったような気がしたよ。
 そして、何かの糸がどんどん途切れていくようにも。

…。実際。どうしたらいいのか分からないんだ。
 前に欲しかったもの。ま。こんな柔な言葉でもないけれど。
一人で眠るのはもう充分だよ。そう思いつつも。たぶん。誰とも会うことを拒み続けるだろうな。…それは嘘か。単に。誰かといる事をとても怖く感じているからかな。自分の中にある狂暴さとかそんなものも見え隠れしているし。

 どうにも色気も、何も、感じなくなってきているのかも。

ま。それも分からなくもない。
この年になって、わざわざ何かをしたいとはもう思わなくなってきた。
俺はもう疲かれたよ。そういうことにしておいてくれ。

本当は違うけど。ただ、一緒にいてもいいとか思えないんだ。
こういう自分であり続けたいのなら、何かをそろそろ切り捨て始めないと、やって逝けなくなる自分がいる。

 あの頃の。彼女達に出会っても俺はワカラナイだろうし、彼女達が俺の事を思い出せるとも、もう。限らない。ただ、あるのは、昔のあの頃の。彼女達。あるいは、俺。を追い続けるのかな…と。

 誰にも会わなかったもう、合わないかもしれないただの神様のままの名前もない。人でもない物体としての存在。あるいは、名前だけの置物としての存在になる日も近いかも。
お腹すいたな。あと。何年生きられるかな。あと何回一人で眠れるかな。もうお腹一杯。一人でいるのはもう嫌だよ。
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テーマ:日記 - ジャンル:日記

【2005/12/11 18:52】 | 小旅日記(こたびにっき) | トラックバック(0) | コメント(2)
<<寒い家の利点とは? | ホーム | オムレツトマトは食べにくかったかも?>>
コメント
こっちは何だか寒い日々が続いてます;;
最近は朝に部活が有ってなにかと忙しい日々ですがorzだって試合近いんだもn
私も最近歳を感じる気がします。。。
【2005/12/11 19:55】 URL | 果奈瑠 #l/VZmCVM[ 編集]
いや…、それはチガウカト。
年を取る=老ける。というより
“成長する”っていう意味合いじゃ…?
…それとも。マジニ?それはかなり問題があるかと…。
【2005/12/11 20:36】 URL | ノトス #-[ 編集]
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